江古田の空より愛をこめて~環便り

昭和の風情が残る街、六畳一間的な空気感が魅力の江古田にある、和雑貨屋の店主のブログです。江古田に遊びに来て下さい。

こだわりは、時に職人を苦しめる(私の口は削らないでね

「木のスプーンって、厚みがあって、口に入れたらかさばりそう」って思っている方、津軽塗の木村正人さんに削ってもらった木地は、薄くて軽々。

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とうとう、最後の1本になりました。

汁気のあるもの、おかゆのような粘度のあるもの、カレーにデザート、何でもこれ1本で用が足りるようなサイズ、深さ。使えば分かる心地よさ、あとお一人分、早い者勝ちです。

木村正人のスプーン【最後の1本】

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木のスプーンは、機械化出来ない曲面があるもので、手が掛かります。

大量生産されている木のスプーンは、中国など海外で作られた木地を使っておりまして、それなりに雑なので「厚みがあって野暮ったい形」

以前聞いた話では9割以上が輸入木地だとか。

もうちょっと何とかならないのだろうか?と思う木地ばかりなのですが、手彫りのイメージを逆手にとって、無骨さや野暮ったさを「木のぬくもりの良さ」アピールしていたりするのを見ると、何だか心がザワついてくる店主。

「スプーンは手が掛かるからやりたくないな~、やだな~、やだな~、凄くやる気起きないな~」と渋る木村さんをなだめすかして、手彫りしてもらったのがこちらのスプーン。

弘前の木村さんから送られてきた木地を口に含み、舌触りの悪い場所を鉛筆で塗って送り返す。木村さんが、私のマーキングを見ながらまた削り、送る。また返す。

弘前と江古田を何往復かした頃に、木村さんが「何か・・・あてどない感じがするなぁ…多喜子さんが満足しないとOK出ないんだよな…木地はたげ(だいぶ)削ったはんで、今度は多喜子さんの口を削るが?」と黒い嫌味。笑いました。

そのぐらい、繰り返しました。
おかげで、使えば分かる心地よさです!

更年期を迎え、感覚に変化が出るお年頃の方は、鉄気(かねけ)が気になってスプーンやフォークが嫌になることがあります。そういう方へ、贈って喜ばれるのが木のスプーン。

若い人だって使ってみたら、漆のすべすべした肌触りの心地よさを、存分に感じられるはずです。

※店主かれこれ4年使っていますが、傷一つない丈夫さです
木村正人のスプーン【最後の1本】

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