江古田の空より愛をこめて~環便り

昭和の風情が残る街、六畳一間的な空気感が魅力の江古田にある、和雑貨屋の店主のブログです。江古田に遊びに来て下さい。

職人仕事は常に目の前のひとつと向き合うこと

本日は、鉄瓶を予約のお客様へ発送する日。

f:id:wazakka:20170714142957j:plain

その中のひとつ、あられ。
オーソドックスなあられですが、作る人によって、こんな風にアレンジされます。大仏様の頭のようなつぶつぶというより、ツンツン、トゲトゲ。


以前も書きましたが、当店では量産ではない鉄瓶を予約販売しておりまして、作ってくれる職人さんは「髙橋大益」さんと言います。

出会ってから6年過ぎておりますから、髙橋さんも40代半ば。でも、まだ若手って言われているんじゃないでしょうか?(工芸の世界って、若手が分厚い層なんですよね 笑

髙橋さんは、1点毎に鋳型を作るので、今回納品する「あられ」のトゲトゲは、髙橋さんが1つずつ、手で鋳型を彫った形です。ピシッと機械のように並んでおりますが、どこか揺らぎのある配置で、トゲトゲなのに目に柔らかく映ります。

そして、量産品の鉄瓶と大きく違うのは、鉄肌の薄さ。
随分と重たい液状の鉄が、鋳型の間を流れて全体にまわるギリギリの厚みを作っているので、薄くて軽くて、鉄瓶なのに鉄瓶らしくない軽やかさ。

定期連絡のやり取りで、髙橋さんは仕事中にラジオを聞いているとか。何でもない日常の話題を耳にしながら、時にクスリと笑いつつ、流れる汗を拭き拭きしながら、今日も作業しているのかなと思うと、あることが思い浮かびます。
鋳型作りはいつも同じようですが、目の前の鋳型とはいつも初対面。外野のわたくしには分かり得ない「違い」と対面し、精魂込めているのだろうなと思うのです。

あの人がそうしているだろうと思うだけで、わたくしも、暑くてもいつも通りに、新しい今日を味わい過ごそうと思えます。髙橋さんは私に勇気をくれる存在です。

※現在予約をいただくと来年2月中旬納めが最短納期です。待つ時間も楽しみに出来る方からのご予約をお待ちしております。
【ご予約はこちら】

*+*-*+*-*+-*+-+*-*+*-*+-*-+**+-*+
和の心を贈る、伝統工芸と和雑貨の店
「暮らしを美しむ小道具の店 環」
03-6914-8050

環のFacebookページ いいね!よろしくお願いいたします

環のtwitter フォローよろしくお願いいたします

インスタ始めました
wazakkakan