営業中。銀座の田中貴金属の2階には金工芸品が陳列されているのですが、偶然知って、見に行って、眼福。
金糸で作られた松の盆栽、ふくろうに仏像、どれも見事でしたが、一番感動したのが、金のおりん。仏具のアレ。それはそれはよい音色で、美しい余韻が長く長く、減衰することなく聞こえ続けるのに感動いたしました。
鋳物ですか?とたずねると、鋳物ではなく手で打ち出して成型したものだとか。音も形も美しいものを作る職人さんは貴重とか。
説明してくれたスタッフの方から聞くと、素材が高価ということもあり、若い職人が美術品的な金工芸をやることも、続けることも至難の業らしく、想像はつきましたが、技術継承の困難さを感じて少し寂しい気分になりました。
ところで、田中貴金属は金やプラチナの売買がメイン事業ではなく、工業用の素材としての金やプラチナなど、貴重な金属を扱うのがメイン事業なんだとか(知らなかった…
金工芸の技術も、美術品以外へ転用出来れば生き残る道はあるのだろうか、その道はどんな業界、どんな方面なのかなと帰り道、妄想。
近いところを連想すれば、世界の宗教美術業界が思い浮かぶんですけど、つなぐ人がいないもんですかねぇ。
高岡鋳物のよい音色の小さいおりん、花のりん「チューリップ」